Otona no Kadaitosho

2018.10.13

さくらももこ『もものかんづめ』(トイプードル通信2018年9月号より)

今月の課題図書は
さくらももこ
『もものかんづめ』
 
 
さくらももこさんの訃報は、
最近一番ショックだったことだ。
Yahooニュースで見たんだけど、
瞬間に全身鳥肌が立って、すぐあとにすごい喪失感がきた。
 
「ちびまるこちゃん」は漫画も持ってたし、アニメも大好きだったな。
爆笑!!!とかじゃないんやけど、
日常の中にぽっかりとある面白さというか。
ほんわか。とはちょっと違うねん、アイロニーを含んだ笑いだから。
そこに毒があるのがいい。
 
エッセイも好きだったな~と思い出して、
ニュースを見たその日、「もものかんづめ」を本棚を探したんだけど、見つからず。
買ってきて改めて読みました。
買って帰りの電車で読んでたから、ニヤニヤを抑えるのが必死だった。
 
間抜けだったり、愚かだったり、恥ずかしかったり、
そんな体験をあっけらかんと、時に毒づき、面白おかしく書いている、
「もものかんづめ」は楽しいエッセイ。
(注:感動する話もあります)
 
中学生だったかな、
ヒステリックな女の先生に教員室で思い切りビンタされたことがあって・・・
なんでそこまで怒らせたのか?
理由を全然覚えてないんだけど、
その先生が、面白いよって言って貸してくれたのがこの本だったことは、ビンタの思い出と共にしっかりと覚えておるw
今だったら体罰とかいって問題になっちゃうんやろうけど、なんか笑える思い出。
ホントなんで殴られたんやったか~・・・?
て全然思い出せないトホホな感じが、さくらももこ的かも。
 
ややもすればシリアスになりがちな日常の出来事を
なんかほら、それって見方によっちゃすごく笑えるよね!って教えてくれる。
気づかなかった日常の抜け穴が見つかる、このエッセイは、そんな安心のお薬なのでした。
 
 
「わたしゃ、情けないよ」
 
って呟けば、
お風呂でヒロシが歌う、のんきな鼻歌が聴こえてきそう。
 
今日も、変わらず夜は更けてゆきます。
 
 
さくらももこさん、
ありがとう。
 
 
おやすみ、
おはよう。
また会う日まで。
 
オトザイサトコ