Otona no Kadaitosho

2018.09.7

中島らも 『僕に踏まれた町と 僕が踏まれた町』(トイプードル通信2015年8月号より)

今月の課題図書は、

中島らも

『僕に踏まれた町と 僕が踏まれた町』
 
 
中島らもが好き。

たまらなく好き。

アル中なところもお下品なところも、

それでいてお上品なところも、

照れ屋なところも、

もし口が臭くても好き。大好き。

 

小説、エッセイすべて読んでます。

特にエッセイは、なんとなく難しいこと考えたくない時、

心が疲れている時に、ニヤリとさせてくれる。

なんか人生悪くないなあって思わせてくれる。

『僕に踏まれた町と 僕が踏まれた町』はその中でも大好きな一冊です。

 

中島らもが育った神戸の街と、

そこで過ごした面白おかしくてほろ苦い青春時代をぎゅっと詰めたエッセイ。

神戸は私も学生時代住んでた町なので、親近感がわきます。

 

十代の頃って、

なんか思い出したくないような恥ずかしい、忌まわしい記憶って誰でもあるでしょ。

今となっては何であんなにアホやったんやろ?って思う事とか、、、

 

そういう思い出が赤裸々に面白おかしく綴られています。

かっこわるくて、ばかばかしくて、笑えるんやけど、

らもさんの文章がノスタルジックで、

かっこわるくたってなんだって、生きているという事に対する愛しい眼差しがある。

 

 

だから「あいつも生きてりゃよかったのに」と思う。

生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでも

「まんざらでもない」瞬間を額に入れてときどき眺めたりして、

そうやって生きていればよかったのに、と思う。

 

 

死にたいくらい、かっこ悪い思いをした夜にどうぞ。

きっとニヤリとできるから。

みなさんの青春時代の夕焼けにも共鳴しますように。。。
 
 
 

おやすみ、

おはよう。

では、また会う日まで。

オトザイサトコ