Otona no Kadaitosho

2018.09.7

中脇初枝『きみはいい子』(トイプードル通信2016年5月号より)

今月の課題図書は、

中脇初枝

『きみはいい子』

 
 

昨年観た中で、一番良いと思った映画が、

呉美保監督の『そこのみにて光り輝く』だったのですが、

その呉美保監督が手掛けた映画の原作本という事で、

「きみはいい子」を知りました。

実は映画は観にいけていなくて、

早くDVDを観ないと!と思っているの、、、

映画もとても素晴らしいという評判ですが、

原作本も素晴らしかったです。

 

虐待を受けている、子供たち、

虐待を受け、大人になった子供たち。

それぞれ幼い傷を抱えた子供たちを描いた短編集。

 

重いテーマだけれども、

最後には少し光が見える、そこが素晴らしかった。

 
 

『たとえ別れても、二度と会わなくても、

一緒にいた場所がなくなってしまったとしても、

幸せなひとときがあった記憶が、それからの一生を支えてくれる。』

 
 

わたしは母のやることをいつも真似してました。

母の好きな洋服が好きだったし、

母の嫌いな食べ物が嫌いだった。

でもそれってだれもが少なからずそうなのかもしれません。

子供ってどこにも行けない。

物理的にだけじゃなくて、

精神的にも、母親が世界で宇宙なのかなと思います。

 

親しみ深いと思うものは子供の頃の記憶に通じています、

他人を愛おしいと思う気持ちも、あらかじめ教えられていたように思います。

わたしの歌詞は大人の女の気持ちってよく言われますけど、

子供のわたしをそこかしこに映してる。

 

自分が子供であったという事、

幸せな記憶、

そしてだれもが隠しているインナーチャイルド。

心のガラスみたいにもろい部分に直に触れてくるような作品です。

 
 
おやすみ、

おはよう

では、また会う日まで

オトザイサトコ