Otona no Kadaitosho

2018.09.7

開高健『夏の闇』(トイプードル通信2016年6月号より)

今月の課題図書は、

開高健

『夏の闇』

 

 

開高健の代表作と言われる作品なので、きっと

きっと読まれた事のある方も多いと思います。

この「夏の闇」は「輝ける闇」と「花終わる闇」

の三部作のうちの一作です。

開高健の作品で最初に読んだのが「夏の闇」でした。

いつだったか古本屋で、

何気にページをめくった時に、

 

 

「夏が膿んでいる。」

 

 

という一文があって、

そのたった1行に圧倒されて、購入したのです。

その1行だけで、

諦めと混沌に満ちた夏の風景に、

ざあっと連れていかれてしまって。

そして買って、読み進めれば進める程、

言葉の持つギラギラした光にくぎ付けになりました。

 

 

これに限らず、

たまたま開いたページの一文でインスピレーションを受けて、

買ってしまう事がよくあるんです。

今日は、少し課題図書の内容から外れますが、

わたしの本の選び方の話などしようかと。

 

 

「タイトル買い」をよくします。

本屋で何を選んだらいいか分からない人は、

なんとなく心に引っかかるタイトルの本を、

たとえ作者は知らなくても買ってみるとよいと思う。

 

わたしが最近タイトル買いした本は、

 

「金を払うから素手で殴らせてくれないか」(木下古栗)

 

すごいタイトルすぎる!

 

タイトルで選んだら、

少しページをめくってみて、

もし一言でも心がざわっとするような言葉があれば、

それは即買いです。

もちろん当たり外れはあります笑

でも、そこから一生の友になる本に出会えたりします。

 

そうやって見つけた本が当たりだったら、

その作家の作品をとにかく片っぱしから読みます。

寝る前に、電車の中でも、降りてエスカレーター乗ってる時も、

歩きながらも、お酒飲みながらも、お風呂の中でも。

そうして自分の気に入った作家ができたら、

その作家のルーツを探るのです。

音楽と一緒。

その人が影響を受けている作家や、好きだと言っていたり、

嫌いだと公言している作家の本を読みます。

そうすれば自分の好みの作家にまた出会える可能性が高いです。

そうやって芋づる式読書をしていきます。

 

後、おすすめの読書法が一つ。

本を途中で閉じる時には栞を使いますよね。

私は、よく栞として、

その時に立ち寄ったカフェのレシートとか、

最近行った映画やライブや美術館の半券とかを挟みます。

それで、読み終わってもそのままにしとくんです。

そうすると、何年か経って読み返した時に、ふとそれが出てきて、

前に読んだ時のシチュエーションなどが思い出されて、

楽しいですよ。

 

是非、やってみてくださいね。

 

 

おやすみ、

おはよう

では、また会う日まで

オトザイサトコ