Otona no Kadaitosho

2018.09.7

太宰治『人間失格』(トイプードル通信2017年12月号より)

今月の課題図書は

太宰治

『人間失格』

 

 

人生で一番好きな小説を一冊だけ決めなければならないとしたら。

わたしにとって、その一冊は太宰治の「女生徒」です!!

 

けど、今回ご紹介するのは「人間失格」w

2017年のトイプー通信、締めくくりがこれって。。。

太宰が入水自殺する前の未完の作品「グッドバイ」の一つ前に書かれた、

最後の完結作であり、遺書と捉えられている作品です。

 

つい最近部屋の整理をしていたら、5年前の手帳が出てきて、

わたし作詞のアイデア用に、気になった言葉や文章を手帳に書き残しているのですけど。

ちょうど東日本大震災の次の年、東北に一人旅をしたことがあって、

その時青森で私は太宰の「人間失格」を読んでいたらしく、手帳に書き残しているんです。

ちょっと、なんか、すごい暗いよね。

想像してみて。コワイカラ。

黒髪でおかっぱの女が東北一人旅で読んでる本が人間失格。

 

でも、その一節が今になって沁みたので。それで。

 

 

「人間失格」第二の手記

 

美しいと感じたものをそのまま美しく表現しようと努力するおろかしさ。

マイスターたちは何でもないものを、主観に依って創造し、

或いは醜いものに嘔吐をもよほしながらも、それに対する興味を隠さず、表現の喜びにひたってゐる。

つまり人の思惑に少しもたよってゐないらしいといふ。

・・・・道化などでごまかさず、人の思惑にもたよらずに描けたとき、

はじめて胸の底にひた隠しに隠している自分の正体にたどり着く。

 

 

わたしの歌詞って、結構マイナス思考で重い歌詞が多くて、

「誰がこんなん聴いてうれしいんだろ?」とかはよく思うんですけど。

これ読んで、方向間違ってないわ!!て思った記憶があるw

自分の言葉で。

自分の感情を。

 

「伝える」ってことは向いてないかもしれないと結構思います。

伝えたいこととか、ないかも。

恋愛でもそうね、結局飲み込んでいる。

と昨日ある人にも言われたし。

 

でも、歌詞においては、吐き出すことができる。

吐き出したものをあなたに見てほしい。

それはとても傲慢なことだけど、

美しさはその中にしかないの。

あなたがそれを見つけてくれたら、

これ以上ないくらい幸せです。

 

垂れ流して2017年、もうすぐ2018年に突入。

 

さあ、どんな年にしようか。

 

 

おやすみ、

おはよう。

では、また会う日まで。

オトザイサトコ