Otona no Kadaitosho

2018.09.7

尾崎翠『迷へる魂』(トイプードル通信2016年12月号より) 

今月の課題図書は、

尾崎翠

『迷へる魂』
 
 
以前ブログでも紹介した事ありました。
 
ゴッホみたいに死後、注目され評価された不遇の作家 尾崎翠。

彼女が短い作家人生のうち、18歳から24歳までに書いた作品を集めた、短編集です。

詩や短歌が主に収録されています。
 
 
その中でわたしが最も一番印象的だったのは、

 

「光と蛾」という詩。

 

 

「光と蛾」

 

またけふの夜を、

ランプの下に来り、

紅きひかりを求めて、

もがける小さき蛾

 

我の如し

ああ 我の如し

 

空しさとともに

求むるものに焼きつくさる。

 

 

 

不遇な人生の波に流されながらも、

書くことへの情熱を燃やし続けた、

尾崎翠の作家としてもがく姿がここにあるようです。

 

 

オトザイサトコは今年も女心をたくさん歌いました。

音楽の前で、わたしはいつも自分の事を、

光を求めてもがいているこの蛾のようだと思うのです。

焼き尽くされてしまうような光なのに、求めてしまう、

いつも渇望している。

特に今年発売した「悪あがき」という曲はまさにそんな曲だと思っています。

でも、もっと書かなければ。といつも思っています。

何をしていても、もっと書かなければ。という想いが消えることはありません。

 

来年も、本当のわたしを、

詞にして、メロディーに乗せて、

たくさんお届けできますように。

 

良いお年を!

 
 
 
おやすみ、

おはよう

では、また会う日まで

オトザイサトコ